毎日の子育て、本当におつかれさまです。
特に、自閉症や知的障害などの特性のあるお子さんを育てていると、一般的な子育てとは違うしんどさを感じることも多いのではないでしょうか。
兄弟がいての比較だと、より一層そう感じることもあるように思います。
小さなことで癇癪を起こしたり、思うように言葉が通じなかったり、周りの目が気になったり…。
でも、周囲に理解してもらうのが難しく、「自分が頑張らなきゃ」「他のお母さんはもっとうまくやってる」と、自分を追い込んでしまうことも少なくないのかもしれません。
今日は、そんなお母さんにお伝えしたい対応のヒントをまとめました。
「お母さんにだけきつく当たる」ってどういうこと?
多くのお母さんが経験することのひとつに、「うちの子、私にだけきつい態度をとるんです」という悩みがあります。
特に自閉症や知的障害のある子どもは、言葉で気持ちを伝えることが難しい分、不安や混乱を態度で表しやすい傾向があります。
でも、きつい態度をとるのは、お母さんを嫌いだからではないです。
むしろ、「お母さんには甘えられる」と思っているからこそ、感情をぶつけてしまっているように思います。
子どもにとって母親は「安心できる存在」だからこそ、子どもは本音を見せている。
そう思うと、少しだけ気持ちが軽くなるかもしれません。
「母親だからできて当たり前」なんて、ない
家族の中で母親は、どうしても子どもと過ごす時間が長くなりがちです。
その分、心理的な距離も近くなります。
「母親だからわかるでしょ」「お母さんがしっかりして」と、知らず知らずのうちに子どもは大きな期待をしているかもしれないです。
でも、母親だってひとりの人間です。
つらいときも、疲れるときもあるし、不安になるときだってあります。それって、とても自然なことです。
大切なのは、「母親である前に、あなたはあなた」だということ。
ちゃんと休んで、ちゃんと泣いて、そしてまた笑えるように、周りに頼ることをお願いしたいです。
頼れる場所、見つけていますか?
子どものことで何かあると、どうしても、「自分ひとりでどうにかしなきゃ」と思ってしまいがちかと思います。
でも、福祉制度の改正などで活用できることも増えていますし、地域の資源も充実してきているかと思います。
たとえば
• 市区町村の相談支援事業所
• 児童発達支援センターや児童発達支援事業所
• 放課後等デイサービス
• 親の会や地域の交流会
• 学校の先生やスクールカウンセラー
「うちの子のことでちょっと話したいんです」
それだけでも、支援の第一歩になります。
また、短期入所や日中一時支援など、お母さんがひとりになる時間をつくるための制度もありますし、訪問看護のサービスを使えば、家に専門職(看護師や作業療法士など)の人が来てくれて、家の様子を見てくれることもあります。
対応のアイデア①「子どもの周辺環境や習慣を見直してみる」
頼れる場所が見つかっても、家庭の中でなにか対応をしていかないと、子どもの調子の悪さや不安定さはなかなか改善されないこともあるかと思います。
お子さんの状況にもよりますが、調子の悪さは「周りの環境」もしくは「日々の習慣」が要因と考えることもできます。
(これは、「社会モデル」という考え方です)
・学校ではよい子にしている分、家で調子が悪くなり、癇癪を起こしたりする
↓
・学校の様子を聞き、無理しない方法を先生と相談する(学校を休めるなら、時には休んで好きなことをさせる)
・子どもと母親の距離が近い分、母親にきつくあたってくる(言うことを聞かない)
↓
・母との距離を作る(特には話す)、家では一人で行動できるようにスケジュールで見通しを示す
・いつも決まったパターンで調子が悪くなったり母親の言うことを聞かない(帰宅後の不調、朝の癇癪など)
↓
・毎日の習慣(ルーチン)を見直し、スケジュールに楽しみや好きなことを加えて見通しを持たせる
これらは、お子さんの状況によっては当てはまらないこともあるかと思いますが、「周りの環境」によって子どもが知らず知らずのうちに影響を受けていることもあるなら、「環境を見直す」ことで調子の良し悪しに変化が起きることもあります。
また、自閉症や知的障害の特性として「ルーチンになりやすい」が特徴でもあるので、習慣を見直し、新しい習慣になるためには視覚的なものでスケジュールを示して見通しを持ってもらうと、新しい習慣に馴染んでいくこともあります。
あえて、意図的に変化を作ってみるのもひとつかもしれないです。
対応のアイデア②「楽しみや余暇の充実を図る」
お母さんにきつく当たる、癇癪を起こす、急に走り出したり不安定になるなど、調子の悪さは、様々なストレスによるものと思います。
大人で考えると、ストレスがかかっていたらリフレッシュをしたり、美味しいものを食べたり、好きなことをしたりと、ストレス発散のアイデアはいくつか思い付きます。
多くは「好きなことで発散」となるでしょうか。僕も、好きなハイボールでひと息つくと、次の日もなんとか頑張れています。
自閉症や知的障害のあるお子さんにとっても、「好きなこと」「余暇」はとても大事です。
調子が悪くて、不調の要因にストレスもありそうなら、できるだけ日常生活の中で好きなことを取り入れてもらえたらと思います。
・学校から帰ってきたら好きなことができる
・朝起きて学校に行く準備ができたら好きなことができる、それから学校に行く
・休みの日に好きな場所に行ける(カレンダーなどに書いておくと視覚的に理解しやすい)
好きなことは日常生活に取り入れ、それに加えて、週末や月ごとにも「好きなことの予定」が書いてあると、視覚的な理解によって見通しが持ってて、それを親子の会話にすることもできます。
楽しみや好きなこと、余暇について、ぜひ、日常生活のなかでたくさん取り入れていってほしいです。
子育てのしんどさは、自分だけの責任じゃない
子どもの特性によって起こるトラブルや困りごとは、誰が育てていても起こるものです。
うまくいかない日があっても、それは親のせいではありません。
それに、「子どもをきちんと育てたい」と思っているからこそ、悩んだり、迷ったりしているはずです。
その気持ちこそが、すでに立派な子育ての証です。
自分だけの責任ではないことは、重ねてお伝えてしておきたいです。
さいごに
毎日、本当におつかれさまです。
疲れたときは、深呼吸して、時には誰かに話して、少しでも気持ちを楽にしてもらえたらと思います。
お子さんの調子の悪さや落ち着かない行動などは、今の時期だからこそ起きていることもあるかと思います。つまり、時間とともに変化していく可能性もあります。
でも、それは、周りにいる専門職の人にも意見をもらってください。そしてアドバイスやアイデアももらってください。その中で解決策や先の見通しが親としても見えてくることもたくさんあるかと思います。
このブログも、少しでも参考にしてもらえたらうれしいです。

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