知的障害は、「知的機能」と「適応機能」に遅れや低さがあるため、日常生活や学校生活などで困難さが様々に生じやすいように思います。
また、子ども自身も悪気があるわけでないものの、イタズラをしたり、余計なことをしたりと、周りに迷惑をかけてしまうこともあり、結果として親のイライラに繋がることもあります。
親は、子どもの育児に限らず、仕事や家事など、親としてやるべきことも多いため、きっと、忙しくて余裕がないためにイライラしやすくなっているのかもしれないです。
余裕をもって少しでも子育てができるよう、イライラの対処法を考えてみたいと思います。
イライラの原因
よくある話は、男の子が成長とともにイタズラしたり余計なことをすることが増え、家族や学校などで迷惑をかけることが多いことでしょうか。時には、学校から呼び出しの連絡があるかもしれません。
元気があるのはよいことですが、知的障害の特性も合わさって、善し悪しがわからなかったり、社会性の視点が理解できずに空気が読めない行動となる場合もあります。
また、知的機能の遅れや低さも影響して、年齢相応ではない言動をすることもあり、親としては他の子どもとの比較で期待と現実にギャップを感じ、それが余計にイライラしてしまうこともあるように思います。
子どもなりの理由を探る
これは、知的障害の有無に関係ないことですが、子どもは子どもなりに色々考えています。
イタズラしたり、余計なことをしたり、周りに迷惑をかけたりするのは、「あくまで結果」であって、何か理由があってやっていることもあるはずです。
・何かが気になっている
・できないことや苦手があって、子どももイライラしてる
・イタズラは親や周りから相手にしてほしいため
・余計なことやイタズラが日々の習慣になっていてやめられない
・善し悪しやルールが理解できていない
・やることがなく、手持ち無沙汰が影響している
親としても余裕がない毎日かと思いますが、子どもの様子を観察することで、子どもなりの理由を知ることができることもあります。
それが、イライラせずに冷静な気持ちになることもあり、結果的にイライラが減ることにもつながるように思います。
「理由を探る視点」も、ぜひ、大事にしてもらえたらと思います。
感情をコントロールする
イライラは「感情がうまくコントロールできない」ために起こる現象のため、自分の気持ちや感情と上手く付き合っていくことが大切となります。
ただ、感情はそんなに簡単にはコントロールできないものです。
日々の忙しさや体調、周りの環境などによっても感情は様々に変動しますし、場合によってはコントロール不能というか、イライラが優ってしまう場合もあります。
以下は、一般的な方法ですが感情をコントロールするために必要な対処法です。参考にしていただけたらと思います。
・深呼吸をする(鼻から吸って口からゆっくり吐く)
・相手を非難したりネガティブな言葉できるだけ使わない
・できるだけポジティブな言葉を使う
・意識的に穏やかな表情や笑顔に努める
・日記を書く(自分の感情を書き出すことで客観視できる)
・自分のために、自分の好きなことに時間を使う(少しの時間でも効果あり)
・ウォーキングや筋トレなど、運動をする
具体的な対処法(育て方)
お子さんに知的障害のある場合は、やはり、障害特性を踏まえた育て方を考えていく必要があります。
知的障害は知的機能に遅れや低さがあるため、まずは、それを前提にして考えていく必要があります。
キーワードは「ゆっくり」「焦らない」でしょうか。
イライラの原因が子どものイタズラなどの様々なことであったとしても、ゆっくりしか治っていかないこともあります。
そこは、「期待をしすぎない」もキーワードです。
また、「やればできる!」も禁物です。
教えることでいずれできるようになるってことは、案外多くないこともあり、ゆっくり成長することもある一方で、ゆっくりな成長が途中で止まり、他の人より低い状態のままとなることもあります。
育てる上での心構え
・ゆっくりと関わる
・焦らない
・過度に期待しない
・やればできる!と思わない
育てるための大事な考え方として、覚えておいてもらえたらと思います。
子どもと共通の時間も大切に
昨今は、「タイパ(タイムパフォーマンス)」といわれることも多く、「時間」を意識する場面は増えました。便利な世の中だからこそ、時間を大切にしたいと思う気持ちがより一層強まってのことなのかもしれないです。
それに、共働きなどの子育て世帯は、親の多忙さも目立っていて、「時間がない」が正直な気持ちでしょうか。
そんな時代だからこそ、なんとか工夫して、「子どもとの時間」を意図的に作ってほしいです。
僕も全然偉そうなことを言える立場にないですが、以下の時間をできるだけ大事にしたいって思うようにしています。
・晩ご飯のとき
・電車や車で出かける時の車内
・時々一緒に入るお風呂
・たまに、子どもと2人で買い物へ行くとき
できるだけ、子どもの顔を見て、何気ない会話を楽しむこと。
それが、イライラの一番の対処法なのかもしれないです。
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