いきなりですが、「生活保護」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?あまりよいイメージがない人もおられるかもしれませんが、国民に認められた権利でもあるため、受給することがネガティブではないのはたしかです。
今回は、生活保護についての基本的な情報や活用のポイントについてお伝えしたいと思います。
生活保護とは?
生活保護は、生活に困っている方が最低限度の生活を送れるように支援する国の制度です。具体的には、収入や資産が基準を下回る場合に、生活費や医療費などが支給されます。
2020年度時点で、母子家庭の生活保護受給率は約7.8%とされています。特に、一人で子どもを育てている場合や、障害のある子どもを抱えている家庭では、経済的な負担が大きく、生活保護を受給しているケースも珍しくありません。
どこで相談すればいいの?
働くことができない、もしくは働いていても必要な生活費を得られないなどの場合は、生活保護の相談をされることをお勧めします。
生活保護についての相談は、住まいの地域にある「生活保護課」や「福祉課」などが窓口になります。申請の際には収入や資産について詳しく調査されますが、「困っているけれど相談していいのかな?」と思ったら、まずは気軽に相談してみるのが第一歩です。
生活保護を受けるとどうなるの?
生活保護を受給することで得られるメリットと制約について、いくつかポイントを挙げてみます。
メリット
- 生活費が支給される
食費や日常生活の費用など、生活の基礎となる部分をカバーしてもらえます。 - 医療費がかからない
保険診療の範囲内であれば、医療費が全額扶助されます。障害があるお子さんの医療や通院費用の負担が軽減されるのは、大きな助けになるかと思います。 - 教育費の補助
義務教育にかかる費用(給食費、学用品など)が支給される場合もあります。学用品費、教材費、給食費、修学旅行費などが支給項目とされています。 - 年金の支払い負担も軽減
年金保険料が免除されるので、将来の年金受給権を維持しつつ、現在の負担を軽くすることができます。
制約
- 資産や所有物に制限がある
預貯金や車(バイクを含む)など、一定以上の資産は持てません。ただし、生活に必要な最低限のものは例外として認められる場合もあります。 - クレジットカードが作れない
生活保護受給中は、新たなクレジットカードを作成することが難しいとされています。 - 自由な使い道には限界がある
支給されたお金は生活のために使うべきもので、贅沢品や娯楽に多く費やすことは推奨されていません。
一時的な利用もOK!生活を安定させるための選択肢
生活保護に対して「恥ずかしい」「依存してしまうのでは?」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、生活保護はあくまで「生活を立て直すための手段」として活用できるものです。たとえば、次のような場面での一時的な利用を考えてみてもよいでしょう。
- 子どもの療育やケアに専念するためにたくさん働けない。
- 突然の失業や収入減で生活が苦しくなった。
- 家族全員の生活や心の余裕を取り戻す必要がある。
実際、生活保護を受けることで、経済的な不安が軽減され、子どもと過ごす時間を大切にできたという声も多く聞かれます。
仕事をしながら生活保護を受けることも可能
意外に思われるかもしれませんが、生活保護は「働いてはいけない」という制度ではありません。収入が保護基準を下回る場合には、働きながら生活保護を受給することができます。
たとえば、障害のあるお子さんを育てながら短時間のパート勤務をしている場合、その収入と生活保護を合わせて生活を成り立たせることも可能です。
子どもとの時間を大切にするために
生活保護を受けることで生活が安定し、気持ちの余裕が生まれると、子どもとの関係性にもプラスの影響が出ることもあるかと思います。お子さんが笑顔で過ごせる環境は、親としても何より嬉しいものです。
将来的には生活保護を卒業して自立した生活を目指すこともできますが、まずは今の状況をしっかり支えるための一つの選択肢として、生活保護を検討してみるのも良いのではないでしょうか。
まとめ
生活保護は、生活に困窮している方々にとっての大切な支援制度です。一時的な利用も含め、生活の基盤を整えるために積極的に活用してみてください。特に、障害のあるお子さんを育てている家庭では、親御さんの心の余裕や子どもとの時間を確保するための有効な手段になることも多いかと思います。
困ったときは一人で悩まず、まずはお住まいの自治体に相談してみてください。お子さんが安心して笑顔で暮らせる毎日を作ることがまずは大切なように思います。

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