子どもの将来を考える際によく話題になるのは「家の手伝いをやってもらったほうがよいか?」ということ。たしかに、家事は働くために必要なことを様々に学べるため、やらないよりはやったほうが良い気がします。
結論から言うと、無理にやる必要はないので、お子さんがやれそうなことから家の手伝いをやってもらうのがちょうど良いです。
ここでは、どうやって家事を教えていけば良いかについてまとめておきたいと思います。
発達障害のあるお子さんがよくやっている家の手伝い
・お風呂掃除
・トイレ掃除
・洗い物
・洗濯物干し
・洗濯物たたみ
料理は使用する食材の多さや調理工程などを考えると難易度が少々高いようにも思います。
料理をやってもらうなら、まずは工程が少ないもので、火を使わないなどの取り組みやすくて危なくないものから手伝ってもらうのが良いかと思います。
また、掃除は難易度が高めかもしれません。
知的障害や発達障害の特性で考えてみても、どこからどこまでを掃除すればよいか、どこまでやれば終わりかなど、手順や終わりが明確でないためにわかりにくい場合があります。
掃除をするのなら、
・テーブルを拭く
・場所を決めて掃除機をする
・お風呂の湯船だけを掃除する
など、掃除の場所が明確で分かりやすいところからスタートするのがオススメです。
お手伝いをなかなかやってくれない理由
親としては「家の手伝いを頑張ってほしい」と思っていても、子どもは親の思うようにはやってくれない場合もあるかと思います。
以下、理由をいくつか考えてみました。
①意欲の問題
家事を手伝う理由がわからないた
意欲やモチベーションにつながらない
つまりは、本人にとってのメリットを感じないのも理由のひとつ
②工程の問題
工程が多くて意欲に繋がらない
子どもにとって難しさを感じることで、結果的に意欲が下がっている
工程が少ない、手続きがシンプルであれば、取り組める可能性も上がってくる
③見通しの問題
いつお手伝いをするのか、何時から何時までやるのか、終わったら次は何をするのかなどがわからない
そのため、お手伝いを行なう前後のスケジュールが示されることで見通しが持ちやすくなる
よくあるのは、お手伝いをしたらスタンプやシールがもらえ、月ごとのお小遣いがもらえる仕組み
お小遣いではなく、プレゼントでご褒美を伝えるのもひとつ
(ただし、ご褒美がお手伝いの目的にならないように注意を)
お手伝いはスモールステップで
発達障害は、得意苦手にアンバランスさがあり、凸凹が特徴でもあります。
そのため、苦手なことをスモールステップで克服するは障害特性も影響して難しい場合があります。
・まずはできそうなことを探す
・できそうなことからスモールステップで教える
・小さな目標をゆっくり積み上げていくイメージで教える
・子どもペースを尊重し、焦らず教える
上記をポイントに、「まずはスモールステップ」で取り組んでもらえたらと思います。
家事活動の先にある「就労」
僕は、就労支援や成人期の支援が専門です。そこでの多くの現場経験を今も積ませててらっています。
そこでの経験で感じるのでは、家の手伝いなどのいわゆる家事活動は、将来の「就労」「働く」に繋がる可能性がたくさんあるということです。
・毎日、お風呂掃除をするのが習慣
・お風呂掃除1回につき、50円もらえる
・貯めたお金で自分の欲しいものを買っている
こんなエピソードだけでも、将来の就労を考える上では「家事が働くための土台」へと繋がることはたくさんあります。
ただ、親として焦る必要はありません。
何歳であっても、働く準備は始められますし、子どもが自分なりに、主体的に取り組むことができ、なおかつ嫌がらずに取り組むことが将来へと繋がっていくと思います。
できることから少しずつ、家の手伝いを教えていってもらえたらと思います。
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