相談するスキルを身につけるために(人の助けを借りる)

子育て

子どもの頃は、困ったことがあればすぐに親や先生に相談することができました。日々の小さな悩みや問題も、身近な大人に話すことで解決できていたかと思います。ただ、高校や大学、そして社会に出ると、相談できる人が増える一方で、「誰に、何を、どのように相談すればいいのか」が分かりにくくなることがあります。

特に、自閉症や知的障害のある子どもにとっては、相談の仕方を身につけることは簡単ではないように思います。ただ、「相談する力」は、社会で生きていく上でとても重要なスキルです。誰かに助けを求め、必要なサポートを受けることは、より良い生活を送るために欠かせないことでもあり、「相談するスキル」は大人になる上で重要に思います。

人は一人では生きていけない

誰かに相談する、つまり相手に援助を求めること、他人の助けを借りることは「生きる力」に繋がります。「自分の力だけで頑張る」という視点ももちろん大切ですが、すべてを一人で解決するのはとても大変です。

相談することで新たな視点を得たり、より良い方法を見つけたりすることもできるため、子どもが「相談する力」を身につけることは、将来的に自立していく上でもとても大切なんだと思います。

特性から考える相談の難易度

知的障害のある子どもの場合
知的機能の遅れや理解の難しさから、何を相談したらよいのか自体が分かりにくいことがあります。例えば、「困っている」と感じても、それを言葉にして伝えるのが難しかったり、そもそも困っていること自体に気づいていない場合もあります。
また、周囲の状況を読み取り、そこから自分の問題に気づくことが難しいため、他者に援助を求める機会が減ってしまうこともあります。

発達障害のある子どもの場合
発達障害の特性により、対人コミュニケーションが苦手な場合は多く、自分の困っていることを適切に伝えるのが難しいことがあります。また、周囲の状況を読み取るのが苦手で、暗黙のルールを理解しづらいため、相談のタイミングを逃してしまうこともあります。
障害特性についても理解した上で、子どもが「相談するスキル」を身につけるためのサポートをしていくことが親としては大切なように思います。

相談するスキルとは?

相談する力を身につけるためには、どのようなスキルが必要になるでしょうか。
個人的に思うことをまとめてみました。

  • 相談したいことを整理する:何が困っているのか、どんな助けが必要なのかを考える
  • 誰に相談するかを選ぶ・決める:信頼できる人や相談しやすい人を選ぶ
  • 相手に伝わりやすいように話す:簡潔にわかりやすく伝える
  • 相手の意見やアドバイスを聞く(受け入れる):相手の話をしっかり聞きいたり、素直に受け入れる
  • 相談したことをこれからに活かす:教えてもらったアドバイスを活用し、次に活かす

上記のスキルはどれも身につけるのに時間を要するように思います。ただ、少しずつ身につけていくことで、子どもは相談することの大切さを少しずつ理解し、実践できるようになっていくと思います。

どのようにすれば「相談」が身につくか

  • 困ったり悩んだりしたら「誰かに話す」を練習する
    
まずは、小さなことから相談する練習をしていくことがオススメです。
  • 小さなことから取り組み、まずは相談のハードルを下げる
    例えば、「今日こんなことがあって少し困った」「ちょっと気になることがあった」などの軽い話から始めると、相談のハードルが下がります。
  • 相談したことが子ども自身にとってメリットとなる
    経験を重ねる
相談したことで「解決できた!」「気持ちが楽になった!」「うまくできた」という成功体験を積むことが重要です。
  • 「他者を頼る良さ」に少しずつ慣れていく

    相談を通じて、「他人を頼ることは悪いことではない」という感覚を持たせることが大切かと思います。

親ができるサポートとは?

  • 相談しやすい人を子どもの周りに作る
    増やす
相談しやすい人が周りにいると、自然と相談する機会が増えます。学校の先生や支援者、友達など、安心して話せる人を見つけることが大切です。
  • 親や家族も相談相手として努める

    子どもが「困ったことがあれば、まずは親に話してみよう」と思えるような関係性を築きましょう。日常の何気ない会話の中で、相談することのハードルを下げることができます。
  • 相談する良さ、メリットを伝えていく

    「相談すると気持ちが楽になる」「アドバイスをもらうと、もっといい方法が見つかるよ」など、相談することのメリットを子どもに伝えていきましょう。

子どもが「相談すること」を当たり前の習慣として身につけることは、将来的な自立や社会での適応にも大きく影響します。親として、日頃から相談しやすい環境を整え、子どもが「誰かを頼ること」に少しずつ慣れていけるようサポートしていってもらえたらと思います。

社会福祉士。社会福祉法人で障害福祉の仕事をはじめて20年。現在も福祉の仕事をしていて、就労支援の講師実績は150件以上。本業で得た経験を活かして、家族にとってわかりやすい情報を発信したく、日々執筆中!

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