こんにちは。
今日は、「障害のある兄弟がいるお子さんの子育てで悩んだとき」というテーマでまとめています。
兄弟や姉妹に知的障害や発達障害がある場合、障害のない子どもをどう育てたらいいのか…と、親として悩むことがたくさんあるかと思います。
特に、子どもが物心がつきはじめたり、思春期を迎えたりすると、「自分と兄弟の違い」について、子どもなりにさまざまに感じることが増えていきます。
今日は、そんなときに少しでも参考になるようなことをまとめてみました。
「兄弟の悩み」について
障害のある兄弟姉妹を持つ子どもたちは、小学校や中学など、小さいころからさまざまな気持ちを抱えています。
NHKの「ハートネット」のサイトにも、兄弟姉妹たちの声がたくさん紹介されています。
https://heart-net.nhk.or.jp/heart/voice/category/topics/19/
「親はいつも障害のある兄弟のことばっかり気にしていた」
「甘えたくても、自分から甘えられなかった」
「だんだんと自分との違いに複雑な思いを持ち、避けることも多かった」
子どもたちなりに、心の中でいろいろな感情と向き合っているように思います。
僕自身も仕事柄、兄弟姉妹の方から相談を受けることがありますが、幼いころの思い出を聞くと、兄弟姉妹という近しい関係性がゆえのいろんな気持ちがあるように感じます。
「子どもなりに理解しはじめる時期」には、それぞれの年齢による悩みも深くなっていくこともあるように思います。
親としてできること
では、そんなとき、親としてどう関わればいいのでしょうか。
いくつかのポイントをご紹介します。
①まずは子どもの感情を否定しない
子どもが感じる「モヤモヤ」や「複雑な気持ち」は、どれも自然なものです。
たとえ、言葉にうまくできなかったり、少し荒っぽい表現になったりしても、まずはそのまま「聞く」ことを大事にしてもらえたらと思います。
「そんなふうに思っちゃだめ」と否定せず、「そっかそっか」「そう感じたんだね」と受けとめてあげること。
これが、子どもの心にとっては大きな安心になるように思います。
②「一人ひとりが大切」と伝える
親が障害のある子どものケアや子育てに時間やエネルギーを取られるのは、これもまた、自然なことです。
だからこそ、意識的に「あなたも大切な存在」と伝えていくことがすごく大切です。
言葉にしないと、子どもにはなかなか伝わりません。
親がどんなに一生懸命思っていても、言葉で、態度で、何度でも伝え続けることが、長い目で見れば子どもの心に届いていくように思います。
③家族で「話し合う機会」をつくる
「違い」を受け入れるって、大人でも難しいことです。
子どもたちが、お互いの違いを認め合っていくには、きっと、時間もたっぷり必要なんだと思います。まずは、普段の何気ない時間の中で、「家族で話す機会」を少しずつ作っていくと良いかと思います。
ご飯を食べながら、ドライブをしながら、一緒にテレビを見ながら…などなど。
毎日のリラックスした場面で、「兄弟それぞれの違う良さ」を話題にして、自然に話していくことが大切なように思います。
ベラルボニーという会社のお話
さて、ちょっと話題を変えたお話。
皆さんは、「ベラルボニー」という会社ってご存知ですか?

この会社は、双子の兄弟が創業したベンチャー企業です。
双子のお兄さんは知的障害を伴う自閉症があり、子どものころ、ノートに「ベラルボニー」と意味のわからない言葉を書き続けていたことが社名の由来だそうです。
「異彩を、放て。」というキャッチコピーを掲げ、知的障害のある作家さんたちと契約し、アート作品を商品化したり、企業とコラボしたりしています。
・知的障害のある作家さんのアート作品を商品化
・アートを活かしたシャツやジャケットなどを制作
・アートイベントを全国で展開
障害を「マイナス」として捉えるのではなく、「異彩」として肯定し、社会に広げていくことを目指されています。
個人的には、ベラルボニーの発展が社会にさまざまなインパクトを与えてくれるように思っていて、「兄弟」という意味でも双子の創業者の活動が同じ立場の方に良い影響を与えてくれるような気もしています。
親自身も、自分を責めないで
思春期になると、子どもが親に対して強い言葉を投げかけることもあります。
ときには、障害のある兄弟を責めるようなことを言ったり、親自身を傷つけるような発言をすることもあるかもしれません。
そんなとき、親は自分を責めてしまうがちなように思います。
「自分のせいかもしれない」
「もっとうまけ育てられたらよかったのに」
自分を追い詰めてしまう親御さんも少なくないように思います。
でも、決して、自分を責めないでほしいです。
知的障害や発達障害は「先天的な脳機能の違い」です。
親の育て方や本人の努力不足、それに親の育て方が原因ではありません。
本田秀夫先生の著書「知的障害と発達障害の子どもたち」では、知的障害の原因であるについても触れられていて、「要因の多くを占めるのは『特発性要因』に該当する」と書かれています。
特発性とは、「原因が特定できないこと」ということで、親や本人が原因ではないということにも繋がると思います。
ここで言いたいのは、ぜひ、親であるみなさんも、自分自身のことを大切にしてほしいです。
疲れ切る日もあるかと思いますが、それでも、自分を責めず、親自身の心身も大切にしながら、周りにも頼りながら子育てしてほしいと思います。
さいごに
兄弟姉妹に障害がある子育ては、きっと、色んなことがあるように思います。
一筋縄ではいかないことも多いかもしれないです。
親として、子ども一人ひとりと向き合いながら、それぞれの主張や思いを尊重する難しさもあると思いますし、どうしても、障害のあるお子さんのほうを心配してしまうことも多くなるように思います。
まずは親として無理をせず、自分を責めず、子ども一人ひとりと自分なりのやり方で付き合っていく。
それだけでも、十分だと思います。
あとは、家族や友人、そして専門家などの周りをちゃんと頼ってもらえたらと思います。

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