障害のある子どもがいる家庭には、「特別児童扶養手当」「障害児扶養手当」などの国の仕組みがあります。
詳細は、お住まいの自治体ホームページ等で確認をするのが良いかと思いますが、2つの手当ては「要件」が定められており、子どもの障害の状況とうによっては該当しない場合もあります。
そんな時、どのように子どもの将来設計を考えていけばよいか。
まずは、障害の有無に関係なくもらえる「児童手当」をベースに「将来のお金」を考えていきたいと思います。
大人になってから必要になるお金(障害者の場合)
まずは、将来のお金を話を考えるために、就労環境や賃金等の状況を見ていきます。
以下は、障害のある人の大人の就労場所と月給(工賃)についてです。
①就労継続支援B型に通う(工賃/月:約16,000円)
②就労継続支援A型に通う(月給:約81,000円)
③一般企業や特例子会社に就職する(月給:130,000円(知的障害者の平均賃金))
出典:
・令和3年度工賃(賃金)の実績について
・令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書
もちろん、場所によって月給や工賃は変動するかと思います。
上記はあくまでの「平均の金額」ではありますが、障害のない人との比較では、障害のある人の就労環境はよくはない現状があるかと思います。
障害基礎年金の受給状況
厚生労働省の資料によると、障害年金の受給者は約251万とされています。
*出典https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001112704.pdf
18歳から64歳までの在宅の障がいのある人は約480万人のため、障害基礎年金の受給者は約50%となります。
(上記は、かなりざっくりした試算です。理由は、251万人には在宅に限らず施設入所者も含み、480万人は18歳からカウントしているためです。試算の内訳については、ご理解いただけたらと思います。)
約50%、つまりは2人に1人しか障害年金をもらえていないことになります。
(月額の障害基礎年金(平均) 1級:82,087円、2級:66,523円)
仮に、障害基礎年金がもらえたとしても、それだけでは生活設計はしづらく、就労による給与等の収入が必要となります。
児童手当を18歳まで受給したら
児童手当は、2024年10月の改正で以下の内容になっています。
3歳未満 15,000円(第3子以降は30,000円)
3歳以上高校生未満 10,000円(第3子以降は30,000円)
*出典https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/jidouteate/mottoouen
仮に、18歳までで児童手当をもらえたとすると、現行では以下のもらえる総額(満額)となります。
・246万円(18歳まで受給した場合の金額(満額))
*誕生月によって若干の変動あり
これはこれで、とても大きな金額です。
児童手当を使用せずに残しておけるなら、子どもの将来のために置いておくのが理想なように思います。
長期運用で積立投資(投資信託)
先ほどの児童手当246万円は、現金で貯金しておくか、学資保険などに充てるか、または積立投資で運用するかは悩ましいところでもあります。
我が家にとっても大事な話題です。
ここでは、「長期運用」を前提にした上で、「積立の投資信託」をお勧めしたいと思います。
投資信託とは、投資家から集めたお金を株式や債券などに投資して運用する金融商品です。
積み立てNISAなどで近年は注目されることも増えています。
投資信託を「毎月」「定額」「積立」をすることで、18年間の長期運用が現金ではない価値を生み出す可能性があります。
・3歳までは、毎月15,000円を積み立てる
・3歳からは、毎月10,000円を積み立てる
ネット証券などで、毎月の積立額を設定してしまえば、あとは放っておいて大丈夫です。
▼18年間で増えるお金は?
仮に、児童手当を投資信託で積み立てたとします。
平均の年間利回りは、金融商品によって異なりますが、代表的な商品の平均利回りは次のとおりです。
・S&P500:約10%
・全世界株式:約15%
・全世界株式インデックス・ファンド:約9%
*上記は過去10年間の平均です。公開元によっては数字が違う場合もあることをご了承ください。
それでは、試算をしてみます。
例えば18年間で投資信託を利用し、毎月10,000円をS&P500に積み立てたとします。
18年後の結果は、以下のとおりです。
総額5,960,874円
(内訳)
・積立元本:2,160,000円
・増えた額:3,800,874円
*出典https://go.sbisec.co.jp/prd/common/tsumitate_simulation.html?status=total&term=18&monthly=1&rate=10
平均の年間利回りによって、金額が変動する可能性はあります。
ただ、預貯金として現金で置いておくよりも、金融商品で運用していくほうが資産価値は変化する可能性があり、長期運用をもってその価値は大きくなる可能性があります。
まとめ
障害のある人の就労環境や賃金を見ると、現在ではそれほど高くない現状があります。
また、障害年金の受給状況を見ても、障害の診断がある全ての人が受給しているわけではない現状もあります。
将来のお金に心配もあるのなら、ひとまずは、「児童手当を積立運用(投資信託)する」は、大事な視点なように思います。
ただ、それだけで全てが解決するわけではありません。
仮に児童手当が上記600万ほどに増えたとしても、大人になってからの生涯で考えると、充分な額ではなく、児童手当以外においても、将来のお金を考える必要があります。
今回は、児童手当に焦点をあてて解説しましたので、また別のコラムで将来のお金に対する対策をお伝えできたらと思います。
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