お子さんの発達障害を早期発見するためのサインと対応策

子育て

「うちの子の発達は大丈夫だろうか」
「何か問題があるのではないか」

など、発達障害や知的障害のあるお子さんを育てる家族にとって、不安を抱えることは、日常の中で多くあるように思います。
一方で、早期に気づき、子ども一人ひとりにあった対応をすることで、子どもの成長や家族の負担を軽減することができます。

ここでは、発達障害を早期に発見するための具体的なサインと、家族としてどのように対応すればよいのかを解説します。不安や心配を少しでも解消できるよう、具体的な行動につなげる内容をお届けします。

発達障害のサインに気づくために大切なこと

発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(限局性学習症、LD)などさまざまな種類があり、症状や特性も子どもによって異なります。そのため、「これが発達障害の特徴だ」と決めつけることはできません。ただし、いくつかの共通するサインを知っておくことで、親として気にかけて見守ることができます。

▼主な特徴
生後6ヶ月ごろでは、症状や特性が現れないことがある
マイペースで大人しく、育てやすい印象をもつこともある

▼コミュニケーションの特徴
話していても目を合わせない
表情が乏しく笑うことがあまりない
言葉の発達が遅れている

▼行動面の特徴
保育園や幼稚園では、集団行動に入ることがあまりない
他の子どもたちと一緒に遊ばない

▼感覚面の特徴
大きな音を嫌がる
服の素材に敏感で特定の服しか着たがらない
痛みに鈍感で怪我をしても気づかないこと

これらの特徴がすべて当てはまるわけではないですが、日常の中で「他の子どもとなんとなく違うかも」と感じた場合、それが重要なヒントになることがあります。

家族が感じる不安と向き合うために

お子さんの成長に不安を感じたとき、多くのご家族が「気のせいかもしれない」「少し様子を見よう」と考えることがあります。特に、周囲から「男の子は言葉が遅れることがあるよ」「小さいうちは個性だよ」と言われると、そのまま問題を先送りにしてしまうこともあるでしょう。
しかし、早期発見が重要な理由は、子ども一人ひとりに合わせた早めの適切な支援を受けられることで、お子さん自身が成長しやすい環境を整えられる点にあります。

発達障害支援で有名な精神科医の本田秀夫先生は、著書「子どもの発達障害: 子育てで大切なこと、やってはいけないこと」で以下のような書いておられます。

大事なのは「早期発見早期ブレーキ」
発達障害に気づいたときには、それまでの子育てに一度ブレーキをかけ、立ち止まって、子どもを理解することに時間を使いましょう。ブレーキを早くかけることができれば、そのぶんだけ、子どもに無理をさせる可能性も減ります。そういう意味で「早期ブレーキ」が重要になるのです。

大切なのは、「親が不安を抱くことは決して悪いことではない」ということなように思います。
不安を感じるのは、お子さんのことをしっかり考えている証拠でもあり、そこからこの先のことを考えていけるように思います。
子どもを理解することに時間を使い、その上で、必要な支援や対応を少しずつ考えていくことが大切なように思います。

早期発見のためにできる具体的な行動

お子さんの特性を知るためには、以下のようなステップが効果的です。

①子どもの行動を観察して記録をつける

どのような場面で困った行動が見られるか
特定の場所や状況で落ち着かない様子を見せるか
他の子どもとどのように違うと感じるか

記録をつけておくことで、専門医や専門窓口での相談もしやすくなるように思います。

②地域の相談窓口を活用する

お住まいの地域には、発達障害に関する相談窓口が設置されています。
例えば、以下は、大阪市発達障害者支援センターがまとめた相談窓口の一覧です。
地域によっては、このように情報をまとめたサイト等が公開されている場合があります。https://www.elmosaka.org/map_dir/pages/1p.htm

また、都道府県単位では、「発達障害者支援センター」が設置されています。https://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/

まずはここに問い合わせをして、地域の相談窓口を紹介してもらうこともおすすめです。
ちなみに、これらの窓口では、専門のスタッフが無料で相談に応じてくれる場合がほとんどかと思いますので、気軽に相談してみてもらえたらと思います。

③発達検査を受ける
もしも気になる点が多い場合は、小児科や発達外来で発達検査を受けることも検討してください。
地域によって、子どもの発達障害を専門に診る、「児童精神科医」がいる医療機関もあります。
検査結果がわかることで、お子さんに適した具体的な支援方法を提案してもらえることもあり、お子さんのこれからのことを考えやすくなる場合があります。

家族の不安を減らすために

発達障害の早期発見やこれからの対応については、ネット検索しても情報が多すぎて何から手をつければいいのかわからなくなってしまうように思います。ご家族へのアドバイスというか、お伝えしたいこととしては、「一人で抱え込まない」がキーワードだと思います。
地域には、同じ立場の人たちで集まる「親の会」があるかもしれません。最近は、親の会の活動が少なくなっていますが、ネット等で探すと、近隣ではない親の会の情報も得られるように思います。

また、障害福祉事業を行う大手の株式会社LITALICOは、「発達ナビ」というサイトで親向けの情報発信を続けています。
https://h-navi.jp/

また、長野の本田秀夫先生も、長野県発達障がい情報・支援センターのセンター長として情報発信をされていて、この内容もたいへん参考になるかと思います。
https://naganoken-hattatsu.info/

良い情報に辿り着くのに時間を要するかもしれませんが、良質な情報が不安を減らしてくれ、前向きな気持ちになれることはたくさんあり、ぜひ活用していただけたらと思います。
(この「知的発達といろ」も、そんなサイトとして活用いただけることを目指して、引き続き頑張ります!」

おわりに

発達障害の早期発見と一人ひとりに合わせた対応は、お子さんの将来の可能性を広げる大切な視点です。
不安になり、悩むことも多いかと思いますが、少しずつでも情報を集め、相談窓口や専門家にアクセスすることで、お子さんにとってより良い環境を整えることができます。

まずは、お子さんの普段の様子をよく観察し、専門家を頼る中でこれからのことを焦らず考えていってもらえたらと思います。

社会福祉士。社会福祉法人で障害福祉の仕事をはじめて20年。現在も福祉の仕事をしていて、就労支援の講師実績は150件以上。本業で得た経験を活かして、家族にとってわかりやすい情報を発信したく、日々執筆中!

ふくしる(匿名)をフォローする
子育て
ふくしる(匿名)をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました