こんにちは。
今日は「子どもがしんどいと感じているとき」についてのお話です。
子どもが成長して、学校生活が始まると、いろいろな人との関わりが増えていきます。先生との関係、クラスメイトとのやりとり、通学時の出来事、近所の人とのかかわりなどなどなど。
子どもにとっては新しい経験となることもありますが、同時にストレスになることだってあります。
発達障害や知的障害があるお子さんの場合は、特に「人と関わること」「関係性をつくること」が大きなストレスになることがあります。
今回は、そんな子どもたちがしんどくなったときに、親としてどう対応すればよいのかについて、一緒に考えていきたいと思います。
子どもが感じる「しんどさ」って?
「しんどい」というのは、大人でもなかなか説明しづらい感覚かと思います。
そう考えると、自分の気持ちを言葉にするのが苦手なお子さんなら、なおさら難しいかと思います。
たとえば、以下のようことが子どもにとっての「しんどい」経験になるのではないでしょうか。
・クラスメイトとの関係でうまくいかない
・周りにからかわれたり、いじめられたりする
・先生との相性が悪い、わかってくれない
・通学途中に不安になる出来事があった
・周りと比較して自分だけうまくできないと感じている
発達障害の特性から考えてみると、空気を読む・周りに合わせる・言葉で気持ちを伝えるといった部分に苦手さがあるため、それが人間関係でのつまずきやストレスにつながる場合があります。
まず大切なのは「話を聞くこと」
子どもがしんどそうな様子を見せているとき、まずは「話を聞くこと」が大切です。
ただ、子どもがすぐに自分の気持ちを話せない場合があります。
お子さんの毎日の様子から、こんなサインが見られたら、心の中に何か抱えているかもしれません。
・いつもより元気がない
・表情が暗い
・食欲が落ちている
・夜眠れない、朝起きられない
・学校に行きたがらない
こういうときは、「どうしたの?」「なにかあった?」と聞くよりも、まずはそばにいてあげることが大切かもしれません。
気持ちをうまく言葉にできない子どもにとって、たくさんの質問は余計にしんどなったりします。
「無理に話さなくても大丈夫」
「しんどいなら今日はお休みしようか」
そんなふうに、安心できる言葉をかけてあげることが、まずの一歩かと思います。
子どもなりの意思表出に合わせる
発達障害や知的障害があるお子さんは、自分の気持ちや身体の状態について、言葉で説明することが苦手なことがあります。
それは、「気持ち」や「調子」などのあいまいなものを理解したり表現したりすることが障害特性上、苦手なためでもあります。
ただ、子どもが話さないからといって「何もなさそう」と判断するのではなく、言葉にならない気持ちがあることを前提に接することが大切です。
焦らず、急かさず、時間をかけて、時には絵や写真、カードなどの非言語的な手段を使うことも含めて、お子さんの気持ちを少しずつ読み取っていってもらえたらと思います。
「休ませる」という選択肢も大切
親としては、「学校は行かなきゃいけないもの」と、どうしても思ってしまいがちです。
でも、子どもにとって「学校=しんどい場所」になってしまっているときは、無理に行かせることが逆効果になることもあります。
1日でも、2日でも、「今日は家でゆっくりしよう」と声をかけたり、時には親も一緒に休むことにして(仕事を急に休むのはなかなかハードかもしれないですが)、子どもに安心と休息を与えてもらえたらと思います。
「しんどくなったら、休んでいいんだ」
そう思えるだけで、子どもの心は少しは軽くなるのではないでしょうか。
家族にできること、できないこと
子どもがしんどいとき、親としてできることは色々あるように思えます。
でも、「話を聞く」「そばにいる」「無理をさせない」といったことくらいしか、私たちにできることはないのかもしれません。
でもでも、それだけで十分です。
自分も親としてそう思いますし、そう言い聞かせているところもありますが、親としてできる大切なことと思います。
ただ、家族の力だけでは限界を感じるときもあります。
そんなときに頼りになるのが、信頼できる医師や専門家の存在です。
主治医との関係を築く
子どもが小さいうちから、相性の良い主治医と出会っておくことは、とても大切です。
特に、児童精神科や子どもの心の専門医、精神科医などとのつながりがあると、いざというときに安心です。
精神的な不調は、風邪と似ているところもあります。
元気なときもあれば、調子が悪いときもある。
だからこそ、日頃からの定期的な通院や相談が心の健康を守るためには欠かせないと思います。
診断名がある・ないにかかわらず、「ちょっと話を聞いてもらおうかな」と思ったときに、気軽に相談できる医師がいると心強いです。
子どもにとって一番の安心は、家族の存在
子どもが「しんどい」と感じているとき、親もとてもつらい気持ちになります。
「なんとかしてあげたい」「代わってあげたい」と思っても、お子さんと交代することはできず、親としてはどうにもできないこともあります。
でも、そばにいてくれる人がいるだけで、人は安心できるものです。
話せなくても、何もできなくても、「あなたのことを大事に思っているよ」という気持ちが伝われば、それだけで子どもの心には残ります。
それと、一人で抱え込まず、医師や支援者、学校の先生、周囲の人とつながりながら、子どものペースを大切にしていってもらえたらと思います。
子どもにとって一番の安心は、家族の存在。
しんどいときは、休むことも、話さないことも、時間がかかることも、ぜんぶ「あり」。
そんなふうに、ゆるやかに、ちょっとずつ、子どもと向き合いながら、しんどい時のことを考えていけるといいなと思います。

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